大阪モザイク紀行②
このところ、
個人的に、今井兼次先生の作品に触れる機会が何度かあり、大阪に来た暁には
「復元されたフェニックスモザイク」をぜひ見たいと思っていました。
時間がなくともここだけは、と向かった場所です
「大阪商工信用金庫」新本店
堺筋本町駅の改札を出て、階段を上がるとすぐこのビルの前に出ました。
ビルの外に階段がすぐに見えました。
登っていくと、、、
ババーン!
すごく綺麗!
このあたりはかつて繊維の町として栄えた場所、ということにちなんで、
布を織る糸車がモチーフになっており、
織姫(左上)と彦星(右上)に天の川があり、その前に天女の羽衣を織っている糸車がある、
という構図の作品です。
このようなプレートも設置されています。
このビルは2017年に安藤忠雄さんの設計のもと新たに建造されましたが、元のビルの屋上にあったこの作品を、
安藤さんは大阪の遺産として、次のビルにも受け継ぐことを提案されたそうです。
多大なる労力を持って復元されたこの新しいこのモザイクは、どこをとっても美しく、素晴らしい姿でした。
黒い牛さんが見えます。
今井兼次の作品に数多く登場する、彼の奥様の象徴だとか。
この左下黄色い部分には、何やら文字と女の人のイラストが。
この文字を解読すると、「Mari Simmulson」と書いてあるのがわかりました。
彼女の名前は陶芸家として有名で、スウェーデンのウプサラエクビー社から数多くの素晴らしい陶器を発表されています。
活躍された年代を見ると今井兼次さんとほぼ同じ時期。
画像検索したところ、
このような登板の作品を発見。糸車に描かれているイラストのまんまです。
今井兼次氏は彼女の作品に何か思い入れがあったのでしょうか?
それとも奥様がお好きだったのでしょうか?
この辺の謎はまだわかりません。
ご存知の方がいらっしゃったら教えていただきたいです。
そんなこんなで、この「糸車の幻想」に見入っていた私は、前をちゃんと確認もせずウロウロしており、
軽く水盤の中に落ちたりしてました(笑)
幸いそのドジを見咎める目撃者はおらず、一人ひっそりとこの場所で服や靴を乾かしながら、
作品との対峙を楽しむことができました。
この場所、とても素敵な場所です。
この作品をこのように美しく残してくださった関係者の方に敬意を表します。
おまけ。
濡れた足と靴と洋服。
見に行かれる皆さんも水に落ちないでくださいね。
(終わり)